震災後の被災地での経験を
ヒントに生まれた「家具のない家」
- 練馬区
- O様
被災地での経験が大きなヒントに
2011年3月11日、東北から関東地方を襲った東日本大震災。被害の大きかった東北では津波によって多くの家屋が流され、大勢の人々が今なお仮設住宅での生活を余儀なくされています。震災をきっかけに、「住まい」のあり方を考え直した、そんな方も多かったのではないでしょうか。
今回ご紹介するO邸は、先の震災で学んだことを家づくりに100%活かされたというお宅です。お仕事の関係でご主人が、東北地方を訪れ、目の当たりにした被害の状況が家づくりに大きく影響しているそうです。
倒れる家具は一切置かない
「被害に遭われた方のお宅をいくつも拝見しました。その中でも“家具が倒れて”という被害がとても大きいことに改めて驚かされました」と語るのはご主人。地震では家具も凶器にもなる。目の覚めるような思いだったそうです。
「唯一非常に被害が少なかったのが、棚などを全部壁に作り付けにしているお宅だったんです」。とにかく食器棚、本棚、洋服ダンスなど、倒れる危険のある家具は一切置かない。これがO様の一番の希望でした。リビングにあるテレビは壁に埋め込み、食器棚はすべてカウンター下に備え付けの収納棚に。2人のお嬢さんのお部屋の本棚も洋服ダンスもすべて作り付けという徹底ぶりです。
「子ども部屋の棚の部分は、屋根が斜めになっているので設計士さんも苦労されてました。それでもできるだけ目一杯スペースをとってもらって」とご主人。
キッチンカウンターも収納を確保するために間取りに合わせて奥行きを持たせた特注品。「こんなに奥行きのあるカウンターは初めてだって言われました(笑)。でもゆくゆくは娘と料理をしたり、楽しい空間にもなるかなと思って」と奥様。
「収納収納って毎週のように打合せで言ってたら、6畳分もある大きなグルニエも作ってくれてね(笑)。無理難題にも本当に気持ちよく応えてくれて、担当の方にはとても感謝してます」と笑顔のご主人。
「とにかく担当の方が熱心で、細かいニーズにも応えてくださって。“ああしたい、こうしたい”どんなに無理を言っても“うーん”って考えて、“できますよ”って言ってくれるんです(笑)。いろいろ思い切ってお願いして、夢のある家づくりができたと思いますね。毎週の打合せも本当に楽しかったですよ」とご主人。
「構造上無理なことはハッキリ“問題があります”って言ってくれるので、安心でしたし納得もできました。アドバイスも本当に的確で、言われた通りにして良かったなと住んでみて思うこともありますね」と奥様。
とはいえ、「八正建設」という名前を知らなかった当初、ご主人には不安もあったといいます。
「最初は本当に大丈夫かなと思ったんです。でも八正さんは戸建を多く建てられていて、今回の震災でも大きな被害は1軒も出ていないと聞いて安心しました。打合せでも、本当に僕らのことを一生懸命考えてくれてる、それが伝わってくるんですよね。信頼して任せられるなと思いました」。
いいアイデアは、取り入れる
家づくりを目指す方に何かアドバイスはありますか?と奥様に伺うと、「物件をいろいろ見ることですね」との答え。
「マンションでも戸建てでも、いいなと思った部分を取り入れるといいですね。実は、玄関入ってすぐの手洗いも、どこか別の物件で見ていいなと思ったもの。お客様がわざわざ2階に上がらなくても手が洗えるので便利ですよ」。
「物件も予算より高めのところと低めのところと、両方見るといいですね。素材の見方一つにしても、なるほどこの価格帯はこうなるのかとか具体的にイメージしやすいと思います。いい物ばかり見てると、どうしても現実と理想とのギャップが生まれるんですよね。あとは妻を立てることですかね(笑)」とご主人。
お二人で実現した安心して住める、安全で快適な住まいには、これからの家づくりのヒントがたくさん詰まっていました。